先週、久しぶりに白馬へ帰りました。
到着した時まだ雨が上がって間もなかったようで、木々は雨に濡れ、葉がきらきらと陽光に照らされてとてもきれいな景色に車を走らせました。
森のなかを走っていたら、この白馬の空気や水、自然を身近に感じる生活が私の基礎を形成したのだなあと思いました。また、物作りに反映される観察力や想像力(創造力)はこの中で育まれ、作品に注ぎ出される豊かな感性もこの土地で培われたものだと深く感じました。
でも、それを思うとき、私は同時に言葉にならない悲しみを感じました。その悲しみの正体は何なのかなかなかわからず、ただ呻きのような抑圧された強い感情を感じ、苦しい思いがありました。(このことに関してはまた改めて書きたいと思います。)
さて、今回はエコーランドにある「
自然食品halo」さんにさをり織りのハギレを使ったアクセサリーと冬から取り組んでいる新たな作品、花アクセサリーのクリップとゴムを納品しました。
どれもこれからの季節、髪留めとしてはもちろん手首につけてブレスレット感覚でお楽しみいただける逸品です。また、花クリップは浴衣の帯にアクセントとして着けたり、バッグのポイントに、そして夏は帽子にちょっとあしらっていただくとよりいっそうおしゃれが楽しめると思います。
この納品からいつもの「ぽっかり堂」ではなく、「Talanton(タラントン)」と名乗っています。
タラントンとは神様がそれぞれに預けてくださっている賜物=才能のことです。古く古代ローマや古代ギリシャの通貨単位として用いられていた言葉で、現在使われているTalent=才能・タレントの語源にもなっています。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、私はクリスチャンです。
※エホバの証人(ものみの塔)、統一教会、モルモン教などの団体とは違います。※
聖書のなかに、その通貨単位の出てくる「タラントンのたとえ」というのがあります。(マタイによる福音書25:14)
旅に出る主人が僕3人にそれぞれの能力に見合ったタラントンを預けて出かけて行きます。1人には5タラントン、もう1人には2タラントン、最後のものには1タラントン。
しばらくした後主人が帰ってきてそれぞれの僕と清算します。
5タラントン預けられたもの、2タラントン預けられたものは預かったものを倍にします。そして主人は 『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』とそれぞれに言い、労を労います。
しかし1タラントン預けられたものは預かった1タラントンを持ってきて言いました。
「御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。」そして主人はその僕に激怒し、彼の持っているものを取り上げて他の持っている僕たちに与えてしまいます。
具体的にこの通貨単位がどのくらいのものかというとこんな感じです。
当時、一日の賃金が1デナリオンでした。1タラントンは6000デナリオン、6000日分の賃金です。これは今に換算すると幾らぐらいになるのでしょうか。6000日というのは365日休みなく働いて16年、しかしユダヤ人には安息日というものがありますから、働くのは一週間に六日です。そうしますと1タラントンを稼ぐには20年かかることになります。日本人の平均年収は450万円だそうで、20年で9000万円です。約1億と言ってもいいと思います。五タラントン、二タラントン、一タラントンと三段階に分けて言いますと、1タラントンが少ないという印象を受けますが、1タラントンでも1億円ですから、かなりの財産だったわけです。(引用元 http://www2.plala.or.jp/Arakawa/christ_srm109.htm)
それぞれに合った賜物を私たちは与えられています。
5タラントン預けられたものがいて、2タラントンのものもいて、でも1人は1タラントン。
だけど、少なくとも1タラントン(約一億円)は預けられているのです。
だから1タラントン預かったものは5タラントン預かったものを羨んだり目指したりする前に、また与えられたものを失うことを恐れて土に埋めてしまわず、自分の与えられた分に忠実に、それを感謝しながら皆で大事に喜んで使うことで幾倍にも豊かに増やすことができるはず。私も神様から預かったタラントンを大切に感謝して、預けてくださった主の御心を信じて委ね、時には大胆に自分に挑戦するものとなりたい。そんな思いを込めて"Talanton(タラントン)"としました。
そんな改名をしてから約1週間。
お世話になっている方からお誘いを受け、この花アクセサリーをもって明日長野市で催される教会のとある催しに参加させていただきます。
今回の催し準備には半年前から取り組んできました。私の花アクセサリーはこの日に至るために半年間精錬されてきたようにも思えるくらいです。
半年前の私は体調を崩しご飯も食べられなくなって、ほぼ点滴で生きていました。その点滴を受けにいく病院までの10分の運転すら危ういくらい毎日ふらふらでした。
そんな毎日に希望と活力を与えてくれたこの花アクセサリー作り。
多くの方のこころに花が咲くことを、そして私に預けられた賜物が豊かに用いられることを祈っています。
ー あなたの道を主にゆだねよ。
主に信頼せよ、主はそれをなしとげ、
あなたの義を光のように明らかにし、
あなたの正しいことを真昼のように明らかにされる。ー
(詩編37:5-6)
追記
ぽっかり堂を全くやめてしまおうとか、このブログも閉じようとかそんなことはまだ何も決めていません。
まだ方針は決まっていないなかでの出発ですが、とりあえず進んでみます。
ますますの応援、よろしくお願い致します。